今シーズンのレアル・マドリードはエースストライカーのカリム・ベンゼマが退団し、ティボ・クルトワ、ダビド・アラバやエデル・ミリトンといった、DFラインの主力選手が長期に渡って離脱していました。
そんな厳しい状況の中、新戦力のジュード・ベリンガムを軸にしたシステムを活用し、レアル・マドリードはラ・リーガを制し、UEFAチャンピオンズリーグ決勝にも進出し、2冠達成に手を掛けています。
多くの主力メンバーを欠きながらも、なぜレアル・マドリードは好成績を収めているのでしょうか。
今回はレアル・マドリードの強さの秘密に迫っていきます。
レアル・マドリードの強さの秘密はなにか
イタリア人指揮官のカルロ・アンチェロッティに導かれ、レアル・マドリードは2シーズン振り、36回目のリーグ優勝を果たしました。
また、今シーズンはUEFAチャンピオンズリーグでは優勝候補であったマンチェスター・シティやバイエルン・ミュンヘンを撃破し、決勝に進出。
主力選手が怪我により長期離脱しながらも、既存のメンバーで厳しい試合を戦い抜いてきたレアル・マドリードですが、彼らの強さの秘密とは何なのでしょうか。
・新戦力を活かす新システム
・戦術よりも選手の最大限の力を発揮させる手腕
・勝者のメンタリティ
レアル・マドリードの強さの要因はこの3つが挙げられます。
1つずつ見ていきましょう!
新戦力を活かす新システム
今シーズンのレアル・マドリードはこれまで採用してきた4-3-3のシステムではなく、ドルトムントから移籍してきたジュード・ベリンガムを活かす4-4-2のダイヤモンド型を採用しました。
ベリンガムは攻撃、守備にも貢献できる運動量の多い選手であるため、トップ下に配置したことにより、最大限、能力を引き出すことに成功。
トップ下のポジションでプレーしたベリンガムは得点能力を開花させ、リーグ戦26試合に出場し、18ゴール4アシストの活躍を見せ、リーグ優勝に大きく貢献しました。
戦術よりも選手の最大限の力を発揮させる手腕
多くの主力メンバーが離脱しながらも、レアル・マドリードが優勝できた背景には、指揮官であるカルロ・アンチェロッティの手腕によるところが大きいです。
アンチェロッティは戦術にそれほど固執する監督ではなく、選手が最大限、力を発揮できることを第一優先にしています。
そのため、対戦相手によってはボールを支配する試合もあれば、自陣に引いて守り、ヴィニシウスやロドリゴの突破力を活かすカウンターを軸にして戦うこともある。
アンチェロッティは人心掌握術にも長けており、常に選手とは良好な関係を築き、選手が批判の的になる時には自分に矛先が向くように仕向けることがあります。
選手と良好な関係を築けているため、選手はメインポジション以外で使われても納得してプレーをしてくれるのではないでしょうか。
勝者のメンタリティ
レアル・マドリードはこれまでに、リーグ優勝を36回、UEFAチャンピオンズリーグでは14回も優勝を経験しており、どちらも最多記録です。
このように、多くの優勝を経験してきたことで、レアル・マドリードというクラブには勝者のメンタリティが植え付けられていて、厳しい状況でも勝てるのではないでしょうか。
レアル・マドリードのメンバーにはトニ・クロースやルカ・モドリッチ、ダニ・カルバハル、クルトワといった優勝を何度も経験してきたベテラン選手も在籍し、その一方で、若くて勢いのあるベリンガムやヴィニシウス、ロドリゴといった選手もいて、年齢のバランスも取れています。
勝者のメンタリティを持つベテランと、若い世代の選手が上手く融合しているので長きに渡り、強いのではないでしょうか。
今シーズンのレアル・マドリードを優勝に導いたキープレヤー
今シーズン、レアル・マドリードの優勝に大きく貢献したと思う3人の選手を紹介します。
・アンドリュー・ルニン
・アントニオ・リュディガー
・ジュード・ベリンガム
1人ずつ詳しく見ていきましょう
期待のGKが遂に覚醒
今シーズン、大怪我を負った正守護神のクルトワに代わり、ゴールマウスを守り続けたのがウクライナ代表・アンドリュー・ルニンです。
ルニンは2018年にレアル・マドリードに加入しましたが、これまでは控えGKの扱いで、出場機会を求め、レンタル移籍を繰り返していました。
しかし、クルトワが序盤戦で怪我を負い、出場機会を掴むと、レンタルで加入してきたケパ・アリサバラガとのスタメン争いに勝ち、公式戦30試合に出場し、無失点試合が12。
今シーズンの活躍を受け、ルニンの市場価値は500万ユーロ(約7億円)から1600万ユーロ(約24億円)まで上がったとされています。
DFラインを支えたドイツ人CB
ダビド・アラバやエデル・ミリトンといった主力CBが負傷しながらも、ラ・リーガで最少失点を記録しているのはドイツ代表のアントニオ・リュディガーのおかげです。
シーズンが始まるまでは、リュディガーはアラバとミリトンに次ぐ、3番手の位置でした。
しかし、その2人が負傷し、リュディガーはスターティングメンバーとして試合に出場し続け、公式戦44試合で2ゴールを記録しています。
リュディガーは190cmとフィジカルの強い大柄な選手でありながら、スピードのあるCBです。
UEFAチャンピオンズリーグベスト8のマンチェスター・シティ戦では、フィジカルとスピードのある世界有数のCFであるアーリング・ハーランドを完封する活躍を見せました。
銀河系軍団の新たな王
今シーズンのレアル・マドリードを語る上で、外せないのがイングランド代表のジュード・ベリンガムです。
ベリンガムの移籍金は1億3000万ユーロ(約150億円)といわれ、背番号もかつてジネディーヌ・ジダンが背負っていた「5」が与えられ、大きな期待が寄せられました。
ベリンガムは開幕から絶好調で、MFながらラ・リーガの得点ランキング2位に位置する18ゴールを決めています。
シーズン前半戦に比べて、後半戦はゴールのペースは落ちていますが、攻撃面だけではなく、守備面においても多大な貢献しているベリンガムをキープレイヤーからは外せません。
理解不能な強さがあるレアル・マドリード
今回はラ・リーガを制覇し、UEFAチャンピンオンズリーグ決勝にも進んだレアル・マドリードについて紹介してきました。
今シーズンのレアル・マドリードの強さの要因はこの3つ。
・新戦力を活かす新システム
・戦術よりも選手の最大限の力を発揮させる手腕
・勝者のメンタリティ
多くの人が語るように、戦術的な特徴が無いにも関わらず、勝ってしまうのがレアル・マドリードなんだと感じました。
理解しがたい強さがレアル・マドリードの魅力とも言えます。
レアル・マドリードはUEFAチャンピオンズリーグ決勝という大一番がまだ残っているので、引き続き注目していきましょう!
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