2024年5月21日にレアル・マドリード所属のドイツ代表MFトニ・クロースがEURO2024終了後に引退することを発表。
今シーズン、レアル・マドリードの司令塔として活躍し、全盛期ともいわれているクロースの引退発表には、驚きましたね。
今回は長い間、レアル・マドリードとドイツ代表を支えてきたクロースについて紹介したいと思います。
トニ・クロースのプロフィール&プレースタイル
クロースはドイツ代表に復帰し、これからもレアル・マドリードとドイツ代表の司令塔として活躍することが期待されていました。
しかし、キャリアのピークで引退という選択を選んだクロース。
若い頃から活躍している印象のあるクロースですが、どんなキャリアを歩んできたのでしょうか。
トニ・クロースのプロフィール
名前 | トニ・クロース |
生年月日 | 1990年1月4日(34歳) |
国籍 | ドイツ代表 |
身長/体重 | 183cm/76kg |
ポジション | CMF |
利き足 | 右 |
成績(現所属) | クラブ通算463試合28ゴール98アシスト |
所属クラブ | 2007-2008 バイエルン・ミュンヘンⅡ(ドイツ) 2008-2014 バイエルン・ミュンヘン(ドイツ) 2009-2010 レヴァークーゼン(レンタル)(ドイツ) 2014-2024 レアル・マドリード(スペイン) |
代表歴 | 2005-2007 ドイツU-17 2009 ドイツU-19 2008-2009 ドイツU-21 2010-2024 ドイツ(A代表) |
クラブ・代表で数え切れないほどのタイトルを獲得してきたクロースがプロデビューを果たしたのは、2007年9月26日。
17歳という若さでデビューしたクロースは、わずか18分の出場で2アシストを記録します。
才能の片鱗を見せつけたクロースでしたが、バイエルン・ミュンヘンのスタメンに割って入るのは簡単ではなく、出場機会を求め、2009年からレンタル移籍でレヴァークーゼンに移籍しました。
レヴァークーゼンの主力として活躍し、2010-2011シーズンにバイエルン・ミュンヘンに復帰。
復帰当初こそ、思うような活躍をできなかったクロースですが、レヴァークーゼン時代の恩師であるユップ・ハインケスが監督に就任してからは、本来の力を発揮するようになりました。
その後は、バイエルン・ミュンヘンのブンデスリーガ制覇やDFBポカール、UEFAチャンピオンズリーグなどのタイトル獲得に貢献。
クロースは、2013-14シーズンから指揮を執っていた名将ジョゼップ・グアルディオラとの関係の悪化や契約面で折り合いが付かず、2014-2015シーズンにレアル・マドリードに移籍しました。
クロースはレアル・マドリードに移籍し、そのパス能力を遺憾なく発揮し、UEFAチャンピオンズリーグ3連覇やラ・リーガ制覇など、これまでに22のタイトルをクラブにもたらしています。
トニ・クロースのプレースタイル
クロースの最大の特徴はパス精度の高さです。
精密機械ともいわれるクロースは、中盤の低い位置からゲームメイクすることを好み、今シーズンは左サイドの低い位置から右サイドへの対角線上のロングパスを何本も通している。
バルセロナが何本もパスを繋いで崩すのに対し、クロースはパス一本で、相手ディフェンス陣を無力化してしまいます。
ショートパス、ロングパスどちらの精度も高く、ラ・リーガでプレーした10年間では、毎年90%以上の成功率を残し、2015-2016シーズンのバレンシア戦では、パス成功率100%を記録。
パスの精度だけではなく、カーブをかけた低い弾道のミドルシュートも得意としています。
フィジカルやスピード面が優れている選手ではありませんが、的確なポジショニングと読みで守備に貢献。
トニ・クロース 今シーズンの活躍
クロースは今シーズン、リーグ戦33試合に出場し、1ゴール8アシストを記録しています。
決して、飛び抜けた数字を残しているわけではありませんが、パスの成功率は平均94%を記録し、キーパスも平均2.66本と、パスでゲームをコントロールし、チャンスを演出。
クロースの大きなサイドチェンジで、相手DF陣を広げることができ、より効果的にサイドや中央から攻められるので、彼の存在は必要不可欠です。
クロースが代表引退してからのドイツ代表は、中盤が停滞することがあり、試合でも勝てない状況が続きましたが、復帰してからは調子を取り戻しつつある。
今シーズン、クロースのパスが冴えたのはUEFAチャンピオンズリーグ準決勝1stレグバイエルン・ミュンヘン戦。
クロースは背後に抜け出すヴィニシウスへ、何人ものディフェンダーがいる中、針の穴を通すかのような高精度のパスを通し、ゴールをアシストしました。
クロースの活躍もあり、レアル・マドリードはラ・リーガを制し、UEFAチャンピオンズリーグ決勝にも勝ち進んでいます。
トニ・クロースの後継者は誰?
今シーズン、クロースはレアル・マドリードの心臓部として、ビルドアップとチャンスメイクの面で大きな役割を担ってきました。
クロースの存在は大きく、彼の後継者を見つける必要があります。
現在、レアル・マドリードがクロースの後釜に挙げている選手はこの4名。
・フェデリコ・バルベルデ(レアル・マドリード)
・フロリアン・ヴィルツ(レヴァークーゼン)
・マルティン・ウーデゴール(アーセナル)
・アレクシス・マクアリスター(リヴァプール)
フェデリコ・バルベルデ
名前 | フェデリコ・バルベルデ |
生年月日 | 1998年7月22日(25歳) |
国籍 | ウルグアイ代表 |
身長/体重 | 182cm/78kg |
ポジション | CMF、右WG |
所属クラブ | レアル・マドリード(スペイン) |
成績(リーグ戦) | 37試合2ゴール7アシスト |
2016年からレアル・マドリードに所属するウルグアイ代表のCMF・フェデリコ・バルベルデ。
バルベルデの特徴は豊富な運動量と縦への推進力、強烈なシュートが武器の選手です。
クロースとはタイプの異なる選手ですが、攻守であらゆる仕事ができるバルベルデはレアル・マドリードで欠かせない存在になっている。
バルベルデはビルドアップの面でクロースには劣りますが、それを補えるだけの走力と運動量があるので、新しいレアル・マドリードの8番になることが期待されます。
フロリアン・ヴィルツ
名前 | フロリアン・ヴィルツ |
生年月日 | 2003年5月3日(21歳) |
国籍 | ドイツ代表 |
身長/体重 | 177cm/72kg |
ポジション | OMF、WG、CMF |
所属クラブ | レヴァークーゼン(ドイツ) |
成績(リーグ戦) | 32試合11ゴール11アシスト |
今シーズン、レヴァークーゼンの無敗優勝の立役者であるドイツの至宝フロリアン・ヴィルツ。
クロースよりも一列前のOMFやWGといった、攻撃的なポジションでプレーすることの多いヴィルツはドリブルで相手を抜くことやパスでのアシスト、自らゴールを決められる決定力など攻撃面で総合力が高い選手です。
トップ下やWGでプレーすることの多いヴィルツを獲得した場合、レアル・マドリードはフォーメーションを新たに考える必要があるかもしれません。
マルティン・ウーデゴール
名前 | マルティン・ウーデゴール |
生年月日 | 1998年12月17日(25歳) |
国籍 | ノルウェー代表 |
身長/体重 | 178cm/68kg |
ポジション | OMF、CMF |
所属クラブ | アーセナル(イングランド) |
成績(リーグ戦) | 35試合8ゴール10アシスト |
今やアーセナルでキャプテンマークを巻くほどの中心人物であるマルティン・ウーデゴール。
かつて、ウーデゴールはレアル・マドリードに所属していましたが、当時の指揮官ジネディーヌ・ジダンの下では出場機会が得られず、アーセナルに移籍しました。
ウーデゴールは2列目からの飛び出しを得意とし、テクニックと運動量を兼ね備える万能型MF。
高いキープ力とドリブル、決定力、チャンスメイクと高い攻撃センスとプレミアリーグで培った激しさを兼ね備えるウーデゴールだが、獲得は難航することが予想されます。
移籍金の高さもありますが、自分で掴んだ居場所を手放すとは考えにくい。
アレクシス・マクアリスター
名前 | アレクシス・マクアリスター |
生年月日 | 1998年12月24日(25歳) |
国籍 | アルゼンチン代表 |
身長/体重 | 174cm/72kg |
ポジション | OMF、CMF |
所属クラブ | アーセナル(イングランド) |
成績(リーグ戦) | 33試合5ゴール5アシスト |
名門リヴァプールの10番を背負っているのがアレクシス・マクアリスター。
マクアリスターは自らドリブルで運んだり、プレイメーカーとして、パスでチャンスを作ることもでき、得点能力と高い危機察知能力を兼ね備えているので攻守に貢献することができる。
長短のパスでゲームをコントロールすることのできるマクアリスターはクロースと似ている部分もあるが、リヴァプールに加入したばかりで、獲得には多額の移籍金が発生することが見込まれます。
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